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(2) くの字点 一、「」は、二字以上のかな、またはかな交り語句を代表する(例1 2 3 4 5)。
〔備考〕「」は「〻〻」「〻+」を経て「」となったものである。
  1. いよ ます
  2. しみ それ
  3. しげ しば
  4. ばら ごろ
  5. 一つ 思ひ 散り 代わる 知らず くり返し ひらり エッサッサ
(3) 同の字点 一、「々」は漢字一字を代表する(例1 2 3 4 5)。
〔備考〕「々」は「仝」の字から転化したものと考へられてゐる。
  1. 世々よゝ 個々こゝ 日々ひゞ
  2. 我々われ 近々きん 近々ちか
  3. 正々 堂々 年々 歳々
  4. 一歩々々 賛成々々
  5. 双葉山々々々
(4) 二の字点 〻( 一、「」は、手写では「々」と同価に用ひられるが(例1)、活字印刷では「々」の方が用ひられる(例2)。

二、活字印刷で用ひる「〻」は「」の別体であるが、その働きは、上の一字を重ねてくんよみにすべきことを示すものである(例3 4)。

三、「たゞ」は「唯〻」とは書かない(例5)。

四、「おのの」「もろの」は「〻」がなくても読みうるが(例6 7)、普通には「〻」をつける(例8)。

五、「〻」は「々」で代用される(例9 10)。殊に「多々益々」ではかならず「々」を書く。

〔備考〕「」は「二」の草書体から転化したものと考へられてゐる。

それを小さくして右に片寄せたものが即ち「〻」である。

〔付記〕例3456789の類の語は、なるべくかなで書く方がよい。
  1. 草々
  2. 稍〻(やゝ) 略〻(ほゞ)
  3. 愈〻(いよ) 各〻(おの) 旁〻(かた) 交〻(こも) 屡〻(しば) 抑〻(そも) 偶〻(たま) 熟〻(つら) 熟〻(つく) 益〻(ます
  4. 唯(たゞ)
  5. 各(おの)の意見
  6. 諸(もろ)の国
  7. 各〻(おの)意見を持ちよって
  8. 各々(おの
    益々(ます
  9. 多々益々