388
惡業を除けるは婆羅門、行を寂にせるは沙門と稱せらる、己の(5)垢穢を棄てたるによりて、彼は出家者と稱せらる。
389
婆羅門を毆つ勿れ、婆羅門は〔毆たるるとも〕怒を發つ勿れ、禍あれ、婆羅門を毆つものに。更に禍あれ、〔毆たれて〕怒るものに。
390
婆羅門若し心を其の愛好〔する所〕より遠ざくれば、之彼に小ならざる利益あり、〔他を〕害する意の消ゆる每に苦惱亦隨つて滅す。
391
人の身にも、語にも、意にも、惡作なく、三處に攝する所ある、我は之を婆羅門と呼ぶ。
392
〔人若し師〕より〔聞きて〕佛の說き給ひし法を曉らば、此〔の師〕を敬ふこと、婆羅門の火祠を〔敬ふ〕が如くせよ。
393
婆羅門は結鬘と姓と生とに依るにあらず、人に諦理と法とあらば彼は淸白なり、又婆羅門なり。
394
愚者よ、結鬘は、汝に何〔の用〕かある、皮衣は汝に何〔の用〕かある、汝は內に愛著を〔抱きて〕、唯外を淨うす。
395
弊衣を著たる人の瘦せて、脈管露はるるに至り、獨り林閒に〔入りて〕禪思せるもの、之を我は婆羅門と呼ぶ。
396
(6)我は(7)〔婆羅門女の〕胎より出で、〔婆羅門の〕母より生れたるの故を以て婆羅門と呼ぶことなし、彼若し我有あらば、彼は〔我を〕(8)爾と呼ぶの徒なり、我有なく取著なきもの、之を我は婆羅門と