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みちによりてかみちびかんとする。

181 勇者ゆうしや禪思ぜんしもつぱらにして、出離しゆつり寂靜じやくじやうよろこぶ、かくごと正覺しやうがく・〔しやうねんひと諸天しよてんうらやところなり。

182 人身にんしんるはかたく、有情うじやう生存せいぞんかたし、妙法めうほふくはかたく、諸佛しよぶつ出世しゆつせかたし。

183 (2)一切いつさい惡事あくじさず、善事ぜんじちかづき、おのれ淸淨しやうじやうにする、諸佛しよぶつをしへなり。

184 忍辱にんにく堪忍かんにん最上さいじやう修行しゆぎやう涅槃ねはん最勝さいしようなりと、諸佛しよぶつのたまふ、ひとそこなふものは出家しゆつけにあらず、なやますものは沙門しやもんにあらざるがゆゑなり。

185 ののしらず、そこなはず、婆羅提木叉ばらだいもくしやおい防護ばうごし、じきおいりやうり、閑處かんしよ坐臥ざぐわし、增上心ぞうじやうしんぢゆうする、諸佛しよぶつをしへなり。

186 金貨きんくわあめふらすとも、諸欲しよよくくことあたはず、諸欲しよよく少味せうみにしてなりと、これるは賢者けんしやなり。

187 てん諸欲しよよくたいしても、欲念よくねんおこさず、覺王かくわう弟子でし諸愛しよあいつくすをたのしむ。

188 人人ひとびと恐怖きようふねんせまられて、山林さんりん園樹をんじゆ制多せいた歸依きえするものおほし。

189 されどこれ安隱あんのん依所えしよにあらず、無上むじやう依所えしよにあらず、この依所えしよ歸依きえして、一さいよりのがるることなし。

190 ぶつと、ほふと、そうとに歸依きえするもの、かれ勝智しようちもつて、四しゆ聖諦しやうたいる。

191 と、起因きいんと、度脫どだつと、滅盡めつじんたつする賢聖けんしやう種道しゆだうと、

192 安隱あんのん依所えしよ無上むじやう依所えしよなり、依所えしよ歸依きえして、一切苦さいくよりのがるべし。