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國家論

遠藤隆吉著

第一章 權力論

一 社會の長

凡そ社會あれば其の長あり。何れの時何れの地と雖も之れあらざるなし。社會の人が長に屈服する所以の意味と長の社會に對する所以の意味とは社會の幼穉なると開化せるとに從ひて差異あり。然かも其差異は程度にして性質にあらず。長に必要なるは其力