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學問の範圍は確立し難しと雖も各々其の見點を有す。同ー事物を觀ずるも異樣に見ゆる所以なり。此の篇は社會學の見點より國家を見たる者。要に曰はく。權力は自然に發生せる社會現象にして其の中心は主權者なり。主權者は統御の機關を創む。臣民は國家の法令に遵奉する方面に於て國家の一員たり。彼れ等は其の生活の一面に於て國家の意志に服從し居るに外ならず。國家の意志は國家の組織內にて作成せられし者なりと。即ち國家の根本を言へるのみ。其