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Page:Issennen no rekishi wo tsukuran.pdf/70

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こに初めて我々自身の双肩にかかる義務の大なるを自覺するであらう。

 しかしながら誰かこの義務を回避せんと欲する者があるならば、彼は我々に交つて國民の一員なりと稱する權利を有しない。權力獲得のための鬪爭において何ら苛責するところなく斷乎たる態度を取つて來たと同樣に我々は今わがドイツ國民の維持のための鬪爭においても些かの苛責もなく毅然たる態度に出るであろうわが國民の父たり子たる最良の男子が多數戰野に倒れてゐる時銃後にあつて戰線の犧牲を水泡に歸せしめんとする如き生活は誰一人としてこれを考ふることを許されない。苟くもドイツの戰線を臺なしにし、政府の權威を弱め、又銃後の働きを妨害する試みが行はるる限り、如何なる假面を被らうとも同樣である。罪ある者はすべて死罪に處せられるであらう。たゞ異なるところは、戰線の兵士は最高の名譽の中にこの犧性を拂ふに反し、名譽ある犧牲を水泡に歸せしめんとする者は、恥辱の中に死んで行く點にある。

 我々の敵は思ひ違ひをしてはならぬ。有史以來二千年の長きに亘り、ドイツ民族が