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Page:Issennen no rekishi wo tsukuran.pdf/6

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現在、將來下さねばならぬ決定につき知るべきである。一九四〇年、余の和平提案が當時の英首相並に彼を支持し或は制御する一味により再び拒絕さるるや、同年秋吾人は今次の戰爭を理性と必然性に基づく凡ゆる理由に反しても終局まで戰ひ拔かねばならぬものであることが明かになるに至つた。

 舊黨員諸君! 諸君は余が終始一貫中途半端な軟弱な決意を憎惡しつゞけて來た事を豫て知悉して居られると思ふ神の攝理がドイツ國民をして今次の戰爭を回避し得られぬ樣に欲し給ふたならば今後五百年乃至一千年に亘りドイツのみならずヨーロツパの歷史世界の歷史を決定的に造るこの一の史的鬪爭の指揮が余に委せられたに對し余は神の攝理に感謝したいのである。ドイツ國民及びその兵士が現在勤勞し鬪つてゐるのは、之は單に自己及びその時代の爲のみではない。同時に來るべき、否、さきの時代の人々の爲である。神は我々に前古無比の史的大修正の完遂を委囑せられた。これが達成こそ實に今や我々に課せられた責務である。