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艦宛も一九一五ー一九一六年に於けるが如く完膚なきまでにのし得るものと高をくくつてゐるのである。

 これと時を同じうして、彼はソヴエート聯邦に援助の約束を與へた。七月十日には突如としてノツクス海軍長官が、合衆國は樞軸側艦艇に對する發砲命令を受けてゐる旨を發表した。九月四日には、合衆國驅逐艦「グリーア」號は、同艦の受けてゐた命令に從ひ、大西洋上でイギリスの飛行隊と協力して、ドイツ潜水艇隊に對抗して行動した。

 五日後、一隻のドイツ潜水艦は、合衆國の驅逐艦が、イギリス護迭船團中に護送船として加はつてゐることを確信した。最後に九月十一日に至るや、ルーズヴエルトはかの演說を行ひ、これにより樞軸船艦のすべてに對する發砲命令を確認し、且つ新たに發令した。九月二十九日には合衆國哨戒艇隊がグリーンランド東方に於いて、ドイツ潜水艦一隻に爆雷攻擊を加へた。十月十七日には英國向け護送船團の護衞に任じて航行中であつた合衆國驅逐艦「カーニイ號」が、又もやドイツ潜水艦一隻に爆雷攻擊