Page:Issennen no rekishi wo tsukuran.pdf/48

提供:Wikisource
このページは検証済みです


法違反の廉で投獄は免がれなかつたであらう。(喝采)斯くの如き判斷寧しろ認識はアメリカに於ても亦多數の名望ある人物の抱くところである。

ポトキー公使の報吿

 こゝに於てこの人間に對し脅威的反對の聲が沸き騰つた。これが爲にはその內政に對する一般與論の關心を對外に向つて外らしてこそ始めて自身が救はれると悟るに至つた。これに關してポーランド公使ポトキーのワシントンからの報吿を檢討するのは一興である。ポトキーはルーズヴエルトがその經濟上の所謂「骨牌札で出來た家」が瓦解の危機に瀕してゐたことを熟知し且つ如何にしても外政的轉向を必要としてゐた點を再三指摘してゐる。ルーズヴエルトは彼を取り卷くユダヤ人方面によつて元氣づけられ、强硬になつたのであるが、このユダヤ人輩はアメリカに於ける舊約聖書的復讐癖を利用して、益々反ユダヤ的になるヨーロツパの國々に對し第二のプリム(註)を催す機會を捉へ得ると思つてゐたのである。此の男の周圍に群をなして集り、しか