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で他國の國家形式を侵犯しない限りは斯くの如き相違點は敵性の原因ではない。

 そもそもアメリカなるものは廣汎な全權の賦與された大統領の指導する共和國なのである。ひるがへつてドイツを見るに、ドイツはかつては限定されたが、支配して來た君主國であつたが、其の後權力なき權力の民主國となり、現在は强大な權力により指導される一種の共和國なのである。此の二つの國家の間には、而も太洋が橫つてゐる。資本主義的アメリカとボルシエヴイズム的ソ聯との相違は當然――若し各自國の主義槪念が少くとも眞實を包攝してゐるならば大統領が支配するアメリカと總統が指導するドイツとの相違よりは遥かに大きくなければならぬ筈である。

ウイルソンとルーズヴエルト

 然るに茲に否定し得ぬ一つの事實はドイツと合衆國間の此の二つの史的係爭が――その同一勢力の後押しがあるにせよ――終始二人の合衆國の人物即ちウイルソン大統領とフランクリン・ルーズヴエルトにより炊きつけられたといふことである。ウ