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Page:Inpukyo 1912.djvu/14

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下篇

瞽者善聽。聾者善視。絕利一源。用師十倍。三返晝夜。用師萬倍。

盲人は耳に聰明にして聾者は目に瞭然たり。精神の一方面を塞ぐ時は必ず他の方面に於て其勢力を發揮することを得。外に向て精神を消耗せしむる勿れ。乃ち導引の術を行ふよりも十倍の効あり。若し又其術に從つて實行し三晝夜之を繼續せりと假定せんか、其效實に導引に萬倍すと謂ふべし。導引の術は道家の慣用方法にして肉體を精練せんとするものり。

心生於物。死於物。機在目。

心は外物を見るよりして生ずるものり。外物の誘ふことくむ