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その意味內容の成立した公共圈內に於ける相對的な價値判斷を推知することが出來る。合理、不合理といふ語は、理性を標準とする公共圈內で出來た語である。信仰、無信仰は宗敎的公共圈を成立規定にもつてゐる。さうして、これらの語はその基礎附けられてゐる公共圈內にあつては明かに價値判斷を擔つてゐる。さて、意氣といひ粹といひいづれも肯定的に云ひ表はされてゐる。それに反して野暮は同義語として、否定的に言表された不意氣と不粹とを有する。我々はこれによつて「いき」が原本的で、次で野暮がその反對意味として發生したことを知り得ると共に、異性的特殊性の公共圈內にあつては「いき」は有價値的として、野暮は反價値的として判斷されることを想像することが出來る。