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重衡書を屋島に貽る法皇、人をして重衡を諭さしめて曰く、「汝書を宗盛におくり、神器をかへさしめば、則汝が死をゆるし、屋島に放ち還さん」と。對へて曰く、「臣の宗、よゝ勳を王家に建てゝ、而して子孫つひに君に棄てらる、以て此に至るは命なり。勝敗は豈臣一人にあづからんや。臣、不才にして纍囚と爲るに至る。假令、生きて還らしむるとも、はた