Page:Gunshoruiju27.djvu/334

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へたるに。こたへてうちそよめきたる。人のまいるけはひする。又ものまいりなどするに。はし。かひなどのとりまぜられてなりたる。心にくし。ひさげのえのたふれふすおとも。耳こそとまれ。よき人の家の中門にびらうげ檳榔毛の車のしろくきよげなるに。すはうの下すだれのにほひよきほどにて。あざやかなるかけて。しぢにうちおきてたてるこそ。ものへゆくみちにかどのまへわたりてみいれたるに。いみじう心にくけれ。四位五位などしたがさねのしりはさみて。尺のいとしろき。かたはらにうちおきて。とかくうちさまよふも。又ずい身のさうぞくきよらかなるが。つぼやなぐひなどもちて。いでいりなどしたる。いとつきし。女のきよげなるがさしいでて。なにがしどのゝ人やさぶらふといふ。おかしくおくゆかしきに。とくゆきすぎぬるこそくちおしけれ。又さればみたる家のかどに。むかひたるたてじとみひきやりて。たゞいまくるまのいでける氣色しるくて。ひろびさしつまどぐちなどに。四尺の木丁のかたびらのあざやかなるなど。こなたかなたにうるはしからずついたてなどしたるも。いかなる人のすみかにかなどこそおかしう見いれられしか。又さしぬきの色こまやかにて。かいねり山ぶきなど。いろにぬぎかけこぼしたる人のしろきあふぎのつらぬかぬをてまさぐりにして。つまどのまへにわらうだ圓座うちおきてゐたるをみいるゝも心にくし。又七八。それよりちいさきなども。ちごどものはしりあそぶなどが。ちいさきゆみしもとこぐるまなどやうなる物さげあそびたる。いとうつくしう。くるまとゞめてもいだきいれまほし。たき物のかのかゞれたるもいと心にくし。又しつらひ