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と心もとなし。にわかにわづらふ人のあるにげんざもとめにやりてまつほど。へんつくかた人にて。持にもありもしはかちもしぬべきに。へんの一あるを心よせの人にめくばせてえさすれど。とみにみつけぬほどこそわすれてをよびもさしいでて。をしへつべくおぼゆれ。ふたあゐのあふぎそで。

さだまりてにくき物。めのとのおとこ。

むかしおぼえてふようなるもの。ふぢのかゝりたる松のかれたる。もかう帽額のすのへりなき。くち木がたの木丁のきばみたる。からあやのびやう風のおもてそこなはれたる。ゑ師のめくらくなりたる。ちすりのもの。はなかへりたる。七尺のかつらのあかみたる。えびぞめのおりものゝはひかへりたる。いろごのみのおいくづをれたる。おもしろき家のやけて。木だちうせたる。いけなどはあれど。うき草みぐさしげければ。そのものともみえずかし。

とをくてちかき物。ごくらく。くらまのつゞらおり。しはすのつごもりと。正月一日と。宮のべのまつり。

ちかくてとをき物。思はぬはらからのなか。めおとこもさぞある。舟のみち。

たのもしき物。心地わづらふにすはうはじめたる。やむ事なきくざく經のほう。たのもしげなき物。六位のかしら白き。風はやき日。ほかけてはしらする舟。心みじかう人わすれがちなりときく人を。むこにとりたるが夜がれがちなる。そらごとする人のさすがに人のことなしがほにて。たしうけたる。としいたうおいたる人の心地あしうしてひさしうなりぬる。一ばんにかちぬるすぐろく。

こゝろにくき物。物へだてゝきくに。女房のとはおぼえぬてのおと。しのびやかにきこ