Page:Gunshoruiju27.djvu/325

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が人にまれ。人のひとにまれ。うちとけたる事いひ。こはだかになどあるをえせいせでききゐたる心地。いとかたはらいたし。又いみじううちとけてねたる人のけはひのちかきも。わりなくかたはらいたし。思ふ人のゑひてさかしらがり。おなじ事いたうしたう。又きゝゐたるをしらで。人のうへいひたる。それはなにばかりの人のうへならず。つかふ人なれど。なをかたはらいたし。たびだちたる所などにて。げすどものおのがどちざれたはぶるゝを見る心地。にくげなるちごをおのが心地のかなしきまゝにうつくしみて。これがわれがまへにいひける事どもをかたりなどしたる。ざえある人のまへにて。なまじりの人の物おぼえごゑに人のなくといひたる。ことによしとおぼえぬわが歌を人にかたりて。人のほめし事などいふもかたはらいたし。わざとむことりたるに。すまぬむこのえさりがたき所にて。さしあひたるしうとの心ち。

あやなき物。さしぐしすりはててみがくほどにおりたる心地。のりたるくるまのうちかへしたる。さるおほのかなるものは。所せくやあらむと思ひしに。たゞゆめの心地して。あさましうあへなかりき。のりゆみにいみじうねんずる人のわなゝきて。ひさしうゆるしたるやのはづれたる。人のためにはぢとあるべきことをあしき事とも思はず。つゝみもなくうちいひたる人。かならずきなむと思人をまつとて。夜ひとよおきあかして。あか月がたにいさゝかうちわすれてねいりたるに。からすのいとちかうなく聲にうちおどろきてみあげたればひるになりにける。いみじうあへなし。うつに。しにたるいしをざうず上手めきておきたるほどに。あやまちて人の