Page:Gunshoruiju27.djvu/321

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にしき。かざりだち。六位くら人。いみじき君だちといへど。えしもき給はぬあやをり物を心にまかせてきるよりはじめて。御かどにちかくなれつかうまつるさまなどのいとめでたき也。御ふみかゝぜ給へば。御すゞりのすみする。夏は御うちはまいる。それのみならずいとめざましきまで。みゆることどもこそおほかれ。又ぢきやう持經者いとあはれにめでたし。さるべき所の御ど經にさぶらひても。又こゝかしこのてらにこもりなどしてきくにも。をのづからくらきおりにゐあひたるにみな人はえよまで聲やみたる。ゆるととゞこほる所もなくよみいだしたるは。まことにめでたくこそおぼゆれ。又身のざえあるおとこ。めでたしといふもおろか也。かほもにくげに。ことなる事なき下らうなれども。やむごとなきさもあるべきことなどとはせたまひなどするおりはちかづきまいりぬかし。まして御ふみの師にてさぶらふはかせなどは。かぎりなくうら山しくめでたくこそおぼゆれ。じよへう序表ちよくたうなどつくりいだしてほめらるゝいとめでたし。ほうしのざえあるもさらなり。すべていふべきにもあらずめでたし。ひろきにはにゆきのおほうふりたる。ようをりたるゑびぞめのをり物。すべてはなもいともかみもむらさきなるめでたし。そのなかにはかいつばたぞすこしにくき。されどそれもいろはめでたし。

なまめかしき物。ほそやかにかたちよききんだちのなをしすがた。おかしげなるわらはのわざとことしき。うへのはかまなどはきてほころびがちなるかざみぱかりきて。うづち卯槌くすだま藥玉などうちつけて。あふぎさしかくしなどして。かうらんそりはしなどあるきたる。い