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Page:Gunshoruiju27.djvu/191

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き也。うへは穩便にて下の利根なる人の過分になからんぞ世のためも人のためもよかるべきと覺侍るあまりに。いたづらごと申侍るついでに。ちと女房の有さまをも申侍るべし。大かた女といふものは。わかき時はにしたがひ。ひととなりてはおとこにしたがひ。老ては子にしたがふものなれば。我身をたてぬ事とぞ申める。いかほどもやはらかになよびたるがよく侍ることにや。大かた此日本國は和國とて女のおさめ侍るべき國なり。天照太神も女躰にてわたらせ給ふうへ。神功皇后と申侍りしは八幡大菩薩の御母にてわたらせ給しぞかし。新羅百濟をせめなびかして。此あしはらの國をおこし給ひき。ちかくは鎌倉の右大將の北のかた尼二位政子殿は二代賴家實朝將軍の母にて。大將ののちはひとへに鎌倉を管領せられ。いみじく成敗ありしかば。承久順德のみだれの時も。此二位殿の仰とてこそ義時ももろの大名には下知せられしか。されば女とてあなづり申べきにあらず。むかしは女躰のみかどのかしこくわたらせ給ふのみぞおほく侍しか。今もまことにかしこからん人のあらんは。世をもまつりごち給ふべき事也。又男女の中。いろなる事どもは光源氏にこまかに申侍れば今更申にをよばぬ事也イ。雨夜のしなさだめにことつき侍るべし。それも心おさまりたらん人をこそいへとうじともさだめて。まことのよるべともし侍るべけれとくれかゝれたれば。たゞ男も女もうかしからず。正直に道理を知たらん人イよりほかは。何事もいたづらごとにて侍るにや。しやうぞくする人の一さいのえもんをばわきへかきいるゝとかや申樣に。萬のことは道理といふ二の文字にこもりて侍るとぞ慈鎭和尙と申人のかきをかれ侍