Page:Gunshoruiju18.djvu/55

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は。くまもなきに。いとゝしき御いろあひの。そこひもしらすきよらなるに。こちたき御くしは。ゆひてまさらせ給ふわさなりけりとおもふ。かけまくもいとさらなれは。えそかきつゝけ侍らぬ。大かたの事ともは。一日のおなしこと。かんたちめのろくはみすのうちより。女さうそく。宮の御そなとそへていたす。殿上人。頭ふたり賴定 道方をはしめて。よりつゝとる。おほやけの祿は。大うちき。ふすま。こしさしなと。れいのおほやけさまなるへし。御ちつけつかうまつりし橘三位のをくり物。れいの女のそうそくに。をりものゝほそなかそへて。しろかねの衣はこ。つゝみなともやかてしろきにや。又つゝみたるものそへてなとそ聞侍りし。くはしくはみ侍らす。八日。人々色々さうそきかへたり。九日。夜は春宮權大夫賴通つかうまつり給ふ。しろきみつしひとよろひにまいりすへたり。きしきいとさまことにいまめかし。しろかねの御衣はこ。かいふをうちいてゝ。ほうらいなと。れいのことなれと。いまめかしうこまかにおかしきを。とりはなちては。まねひつくすへきにもあらぬこそわろけれ。こよひはおもてくちきかたの木丁。例のさまにて。人々はこきうちものをうへにきたり。めつらしく心にくゝなまめいてみゆ。すきたるからきぬともに。つやと。をしわたしてみえたるを。また人のすかたもさやかにそみえなされける。こまのおもとゝいふ人の。はちみ侍し夜なり。十月十よ日まても。御丁出させ給はす。西のそはなるおましに。よるもひるもさふらふ。とのゝ夜中にもあかつきにもまいり給つゝ。御めのとのふところをひきさかさせ給に。うちとけてねたるときなとは。なに心もなくおほゝれておとろくも。いとおかしくみゆ。心もと