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躰的の計算によるがためであるが易の占筮にて宇宙自然の進路を數ふるとすれば此れ一般的の計算法にして隨て某の具躰的現象を豫知することは出來ない譯だ。進化論と比較して之を示さんに進化論は敎へて曰はく。無機物の後に有機物あり、有機物の後に精神あり、精神の後に人類あり、人類には幾種ありと。若し人あり。無機有機精神人類の四段階を或有形的方法によりて想像し、而して後我出でたりとなさむか。此れ進化論を其儘心に反覆せるに外ならない。今占筮が一二四八の順序を說くも亦單に易哲學を心に反覆せるに外ならない。進化の一般の四段階を如何に心に反覆するも某の現象は指名せられない。占筮法によりて重卦を得たりとするも其の重卦は一般の理論を指すもので某の現象を指すのではない。但だ占筮は之を以て某の現象を指すとなす、若し某の現象を指すものとすれば各一現象は二、四、八の順序を經て作られし者となさゞる可らず此二四八は其現象の原