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Page:Danpen Hagiwara KyojiroShishu.djvu/70

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俺逹はそこで俺目身の實彈をつくらうとしてゐる
俺達は現在を現實を銳く燒くために自らを鑄る。


斷 片 56


お母さんは泣いてゐる
聲はどこにも立てないが泣いてゐる
子供を絕望の煙りで燒き殺してはならない
子守歌を唄はなければならない
押しつめられたものゝ子守歌
お母さんは胸の底で子守歌を唄はふと決心してゐる
お母さんは泣いてはならぬ日を思ひつゝ泣いてゐる