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俺は只一すぢの矢となる。


斷 片 8


大空には鐵のブランコが戰きを止めて輝いてゐる
秋は强い狹搾器に絞め上げられてゐる
我等は歌を歌はず單獨に散つて
我等の行く道を見つめる

秋だ 銅牌のやうな木の葉は散る
散れ
道なかばに倒れて行つた仲間の顏が
木の葉になつて散つて來る