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一三四第三十五條、僞作ニ對シ民事ノ訴訟ヲ提起スル塲合ニ於テハ既ニ發行シタル著作物ニ於テ其ノ著作者トシテ氏名ヲ揭ケタル者ヲ以テ其ノ著作者ト推定ス無名又ハ變名著作物ニ於テハ其ノ著作物ニ發行者トシテ氏名ヲ揭ケタル者ヲ以テ其ノ發行者ト推定ス未タ發行セサル脚本及樂譜ノ興行ニ關シテハ其ノ興行ニ著作者トシテ氏名ヲ顯ハシタル者ヲ以テ其ノ著作者ト推定ス」著作者ノ氏名ヲ顯ハサヽルトキハ其ノ興行者ヲ以テ其ノ著作者ト推定ス(條約、第十一條)本條ハ民事訴訟ニ於ル擧證ノ責任ニ關スル規定ニシテ訴訟手續ニ屬スルモノナリ、抑モ證據法ノ原則トシテ訴訟ニ於テ一ノ事實ヲ主張スルモノハ之ヲ證明スルノ責任アリ、故ニ僞作ノ訴訟ニ於テモ先ツ僞作ノアリタルコト並ニ僞作ノ問題ト爲レル原著作物ノ著作者ノ何人タルコトヲ證明セサル可カラス、然ルニ僞作ノアリタルコトヲ證明スルハ容易ナルモ其ノ原著作物ハ自己ノ著作タルコトヲ證明スルハ極メテ難シトス、恰カモ所有權ノ爭ニ於テ所有者タルコトヲ證明スルノ困難ナルト同一ナリ、故ニ本條ニ於テハ所有權ノ爭ニ於テ反對ノ證據ナキ限リハ所有者ヲ以テ占有者ト推定スルト同一ノ法理ニヨリ著作者ニ關スル法律上ノ推定ヲ設ケタリ、第一項ニ於テハ旣ニ發行シタル著作物ニ於テ其著作物ニ著作者トシテ氏名ヲ揭ケタル者ヲ以テ其ノ著作者ト推定スト規定セリ、例ヘハ水野鍊太郞著著作權法要義トアレハ反對ノ證據ナキ限リハ水野ヲ以テ本書ノ著作者ト推定スルカ如シ、故ニ余カ本書ニ對スル僞作ノ訴訟ヲ起スニ當リ自ラ本書ノ著作者タルコトヲ證明スルヲ要セス、若シ被〓ニ於テ余カ本書ノ著作者ニ非サルコトヲ主張スルナラハ被〓ニ於テ其ノ事實ヲ證明セサル可カラス、換言スレハ本書ノ著作者ノ何人ナルカノ點ニ關スル擧證ノ責任ハ被告ニアルナリ第二章僞作一二五
