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めて思ひ起せしものが、この風流を案じ得て、何ぞ雅言をなさゞらん。惜しいかな、手尓葉 のつゞきいたらぬのみ、今すこし心を用ひ候へとありしゆゑ、大鷲文吾はうれしげによろこび歸るを聞傳へて、あざけりそしらぬものなく、いとおろかなる人なりとて、笑ひのたねとなりけるが、また二十日程過ぎて後、
三度にいたりて、自然この秀逸を得たりしかば、大星は手を打ちてよろこび、嗚呼感ずべし、この名吟、實に文武の兩道を兼ねたるものとは、この人ならんと賞めたり
初音きく耳は別なる武士かな。
また十四五日過ごして後、
武夫の鶯きいて立ちにけり。