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Page:Bushido.pdf/43

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て若し悖德不義の行跡を敢てするものあらば、之に對して必ずや最後の制裁を下すべき權能オーソリチーを缺くべからざるものなりとしたり。

 喧嘩なら堂々とやれ!此の蠻野幼稚なる原始的觀念の裡、大に壯剛なる道義の萠芽を含み、且つ凡て文德武德の根蔕を成すものにあらざるなき乎。人の或は大人びて、彼のラグビー學校の小英人トム、ブラウンが、『幼童を虐げず、巨童に背を示さゞりし男兒なりとの名を傳へん』との希望を嗤ふべしと雖、焉ぞ知らん、此希望こそ即ち一隅の首石にして、此れが上に道義の大厦高樓を築くを得るものに非ずや。而も借問せん、世界宗敎の中、最も醞藉好和なる宗敎と雖、此少年トムの熱望を賛翼するものに非らざる無き乎と。