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すと雖、他の二問の如きは、單に餘論として、些か辯を加ふるに過ぎざるのみ。

 日本語にて武士道と謂ふものは、英語のシヴアリー即ち騎士制度ホースマンシツプと云ふよりも、意義の更に深きものあり。乃ち武士が、日常の生活動作に於て、又た其職分を盡すに於て、共に守るべき道にして、要言せば即ち武門の敎訓なり、武人階級に伴ふ尊貴の責務ノーブレス、オブリーヂなり。されば此字の如きは、之を他國の語に譯して妥當なる能はず。夫れ我武士道の如くに、自から範圍あり、又た比匹を見ずして、特殊なり、邦土的なる心性品格を生ぜる敎訓は、此れが特性を標榜すべき名目勿からざるべからず。或る文字は、之に伴ふ國調タンブルありて、人種的特質を帶び、熟達なる譯者の妙筆も之を譯するに於て、縱ひ全