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Page:Bushido.pdf/284

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尙ほ之を感知すべく、西洋諸國の哲學に於て、文明世界の法律に於て共に之を認むることを得べし。加之ならず、凡そ人自から德の高きに達せんとして、奮鬪する時、自力の業行を以て、靈の肉に勝つ時、乃ち哲人ゼノが不磨の敎訓の爰に活躍するを見るなり。

 武士道は一箇特立せる道義律たるに於て滅ぶることあるべし、されど其力は地上に盡くること無けん。此れが武勇文功の諸道は或は毀たるべし、されど其光明、其天榮は久しきに亘りて存せん。其の表象たる櫻花の如く、四風に落英を飄すとも尙ほ餘香の馥郁として人類を幸ひし、人生を豐かにするものあらん。百世の後、武士道の舊慣旣に葬られ、其名さへ亦た忘らるゝの日に到らんとも、其香ゆかしく、