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其半身――優等半身ベター、ハーフか、劣等半身ウオルス、ハーフの孰れにもせよ、其半身を稱するに、聰明なり、信實なり、彼なり、此なり等の言を用ふること、日本人は之れを聞きて悖理の酷だしきものなりとす。他に對して自から己れを稱するに、『聰明なる我』、『愛すべき我が性質』等の辭を以てすとせば、果して佳なりや。吾人思へらく、人の其夫若くは其妻を賛譽するは、即ち自我を自賛するものなりと。自譽自賛は、少くとも吾人の以て陋とする所なり、庶幾くは基督敎徒も亦た然るものならんを。夫れ、人の禮義を守つて、其配偶を貶稱することは、武士の常習なりしを以て、予は爰に岐路に涉つて暫く辯を費したるなり。

 チユートン人種の種族的生活を始むるや、女性を畏敬す