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不等との二語を辨別するに非らざるよりは、此問題は必ずや遂に誤解を免るゝこと能はず。

 法廷又は撰擧場裡は暫く措き、其他に在りて人各〻同等なること甚だ稀なるを以て見れば、男女同等の論議の如き、寧ろ徒事に屬す。米國獨立の宣言に、人は凡て同等に造られたりと云ふと雖、是れ、人の心力體力の天禀を指すものに非ずして、唯だ徃昔羅馬の法律家アルピアンが、法律の前には人皆同等なりと云へるの語を反誦したるに過ぎず。此點に於て、法律上の權利は、人の異同を量るの尺度なりき。若し法律のみ、女子の社會に於ける地位を量るの凖繩なりとせば、其高下を知るの容易なるは、權衡を以て其體量を計るが如し。されど問はん、男女の相對的社會地位を比較する