如く、車、轍を結ばず、士、踵を旋さず、此れ戰を本とするの道なり。地は民を養ふ所以なり、城は地を守る所以なり、戰は城を守る所以なり、故に耕を務むれば民飢ゑず、守を務むれば地危からず、戰を務むれば城圍まれず、三者は先王の本務なり。本務は兵最も急、故に先王專ら兵に務むるに五あり、委積多からざれば則ち士行かず、賞祿厚からざれば則ち民勸まず、武士選まざれば則ち衆强からず、器用備はらざれば則ち力壯んならず、刑賞中らざれば則ち衆畏れず、此の五者を務むれば、靜なれば能く其の固くする所を守り、動けば能く其の欲する所を成す。
夫れ居を以て出を攻むれば則ち居重からんを欲し、陣堅からんを欲し、發するは畢はらんを欲し、鬪齊しからんを欲す、王國は民を富まし、覇國は士を富まし、僅かに存するの國は大夫を富まし、亡國は倉府を富ます、所謂、上滿ち下漏るれば患救ふ所なし。故に曰く賢を擧げ能に任ずれば時日ならずして事利あり、法を明かにし、卜筮せずして吉を獲、功を貴び勞を養ひ禱祠せずして福を得と。又曰く天の時は地の利に如かず、地の利は人の和に如かず、聖人の貴ぶ所は人事のみ。夫れ勤勞の師は將必ず己を先んず、暑、蓋を張らず、寒、衣を重ねず、險、必ず下りて步み、軍井成つて後ち飮み、軍食熟して後ち飯す、軍壘成つて後ち舍し、勞佚必ず身を以て之れに同うす。此の如きは則ち師久しと雖も而かも老かれず、幣えず。