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    又越ゑん小夜の中山初松魚

    精進日殘り多さよ初松魚

     秋の坊を幻住庵にとゞめて

    我宿は蚊の小きを馳走哉

    草の葉を落ちるよりとぶ螢哉

    愚にくらく荊をつかむ螢哉

    晝見れば首筋赤き螢哉

    おのが火を木々の螢や花の宿

     木曾の旅を思ひたちて大津にとゞまる頃瀨田の螢火に出でゝ