Page:Basho Haiku Zenshu.djvu/52

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     即興

    つゝじ活けて其陰に干鱈さく女

    ひとり尼藁屋すげなし白躑躅

    草臥れて宿借る頃や藤の花

    留守に來て棚探しする藤の花

木の芽

    切株の芽立を見ればさくら哉

     暮春に碓氷を越ゆ

    ゆくにまだ春を見しらぬ木の芽哉

     畵讃

山吹

    山吹や宇治の熔爐の匂ふ時