Page:Basho Haiku Zenshu.djvu/32

提供:Wikisource
このページは校正済みです

    けづりかけしても柳はみだれ髮

    鶯を魂に眠るか嬌柳

    入口は柳にのぼる吉野哉

    腫物にさはる柳のしなひかな

    もろの心柳にまかすべし

    八九間空で雨降る柳哉

    傘で押しわけ見たる柳哉

    餠雪を白糸となす柳かな

    野と山の中に一本柳哉

    輪乘する若衆も暮るゝ柳哉