Page:Basho Haiku Zenshu.djvu/193

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     熱田の宮御修復なりぬ

    磨き直す鏡も淸し雪の花

    大雪や婆ひとり住む藪の家

    竹の雪落ちて夜嗚く雀かな

     去年の詫寢を思出て越人に贈る

    二人見し雪はことしも降りけるか

     茶臼に眠る子の畫讚

    積れとく起きて見ん夜の雪

    雪寒し馬に乘らぬ我身かな

    其まゝに折らばや折らん松の雪