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    寺開く坊主の形や初時雨

     美濃垂井矩外が許にて

    作り木の庭をいさめる時雨哉

    蔦の葉の時雨に時雨降る夜哉

    一尾根はしぐるゝ雲か不二の雪

    上野から時雨れて來るや車坂

     草庵

    人々をしぐれよ宿は寒くとも

    時雨降る柳の脊戶や草の道

    船頭の妻迎へたる時雨かな