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    霜の後なでしこ咲ける火桶哉

    小野炭や手習ふ人の灰せゝり

    消炭に薪割る音か小野の奧

    白炭やかの浦島が老の筥

    着て立てば夜の衾もなかりけり

    たのむぞよ寢酒なき夜の紙衾

     鳳來寺に參籠して

    夜着一つ祈り出して旅寢哉

    夜着は重し吳天に雪を見るあらむ

蒲團

    かつぎにす蒲團や寒き夜や凄き