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    埋火や壁には客の影法師

    骨柴やかくと見るより蝶の売

圍爐裡

    五つ六つ茶の子に並ぶ圍爐裡哉

巨燵

    きりす忘れ音になく火燵かな

    硯このむ奈良の法師の巨燵哉

    住みつかぬ旅の心や置火燵

火桶

    あらがねの土より起る火桶哉

    深草やこれも淺草火鉢哉

    文ならぬいろはも書きて火鉢哉

     古き世をしのひで