このページは検証済みです
やや強き風に耐へゐる
療養所
蔦わか葉陽に透く朝は
ニツケルの吸入筒にうつりつつ内衣の人は
ひやびやと霧をふふみて明けそむる蘇鉄に遠き
いつしかにミシンのひびきやみにけり
協奏曲など
はすかひに
昏れのこる化粧鏡の合歓の花そよぎに遠きちまたのどよみ
やや強き風に耐へゐる
療養所
蔦わか葉陽に透く朝は
ニツケルの吸入筒にうつりつつ内衣の人は
ひやびやと霧をふふみて明けそむる蘇鉄に遠き
いつしかにミシンのひびきやみにけり
協奏曲など
はすかひに
昏れのこる化粧鏡の合歓の花そよぎに遠きちまたのどよみ