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野のはてに白き雲湧くたまゆらは幾世のかみの夢にかありけむ


罌粟の実のつぶらに青む野の上にひとりいぶかる昼の月かげ


深みゆく青葉の簷のあけくれに西洋の楽あるはゆかしく


花びらの白く散りしき牡丹の木ひとむらのこる夕日のながさ


さかさまに大地流るる頭の上とにもかくにも星が光れり


ある夢のをちにひろがる空のあをその明るきがあやしからぬか


    ×


夕づけば七堂伽藍灯りつつさくらひと山目をあけてねむる



 盛夏


そこらあたりなほ消えやらぬ夜のいろにざらつく壁をゆすぶりゆすぶる