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るを得（え）ず。然（し）かも近年（きんねん）稍（や）〻增加（ぞうか）の傾（かたむき）あるは、喜（よろこ）ぶべき現象（げんしやう）と謂（い）ふべし。

　現今（げんこん）のアイヌ種族（しゆぞく）にして純粹（じゆんすい）なるもの甚（はなは）だ少（すくな）く、山間（さんかん）の地（ち）、或（あるひ）は交通（かうつう）の便（べん）の後（おく）れし地方（ちはう）にあらざれば、之（こ）れを見（み）ること能（あた）はず。海岸（かいがん）地方（ちはう）は漁業（ぎよげふ）の關係上（くわんけいじやう）早（はや）くより和人（わじん）と交（まじは）り、其（そ）の子孫（しそん）は大抵（たいてい）混血（こんけつ）し、容貌（ようばう）の特徵（とくちよう）を失（うしな）ふこと少（すくな）からず。されば現今（げんこん）の舊土人（きうどじん）の過半數（くわはんすう）は混血兒（あいのこ）といふも可（か）ならん。

　次（つぎ）に混血（こんけつ）の土人（どじん）と、純粹（じゆんすゐ）の土人（どじん）との體格（たいかく）を比較（ひかく）せんに混血（こんけつ）の土人（どじん）は、混血（こんけつ）するに因（よ）り却（かへ）つて其（そ）の兩親（りやうしん）（和人（わじん）・土人（どじん））より强大（きやうだい）なる體格（たいかく）を有（いう）し、過激（くわげき）なる勞働（らうどう）にも堪（た）へ得（う）るものゝ如（ごと）し。純粹（じゆんすゐ）の土人（どじん）は文明（ぶんめい）の世（よ）となるにつれ、食物（しよくもつ）に、日常生活（にちじやうせいくわつ）に一大（だい）變化（へんくわ）を來（きた）し其（そ）の體（たい）