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自序

私は微󠄁力乍ら國家に奉公󠄁したいといふ一心で、この著書を執筆した。元來私は原價會計學を專攻するために學問的の出發をしたのである。そして現在に於ても、この硏究題目には異常な學的興味を持つて居る。私は原價會計學を專攻して居る關係からか、乏しき才を以て製造󠄁原價計算準則制定に際し、商工省財務管理委員會の臨時委員として參加し、次󠄁いで本委員として現在に至る迄經理制度に關する準則制定に微󠄁力を盡して來た。其の後支那󠄁事變の勃發により戰時體制確立に當り、低物價政策の根幹として原價計算が問題となり、適󠄁正價格形成の基礎として國策的見地から統一的原價計算制度の建󠄁設が急󠄁務となるや、又選󠄁ばれて價格形成中央委員會の原價計算專門委員となり實際的に業種別の原價計算制度の立案に從事して來た。そして更󠄁に本年二月企畫院內に財務諸󠄀準則統一協議會が設置されるに及󠄁んで、その委員に任命せらるゝの光榮に浴し、及󠄁ばず乍ら熱意を以てそれに力を盡して來たのである。

自序