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第一章 總論
一四
算の性格に轉換を餘義〔ママ〕なくしたものであることに注意せねばならぬ。いづれにせよ軍部の原價計算準則制定は我產業合理化󠄁に貢獻することの大きなことを銘記せねばならぬ。
ハ 財務諸󠄀表準則統一協議會の要󠄁綱
戰時經濟に於て原價計算の必要󠄁が眼立つて表面化󠄁して來た。それは陸海󠄀軍の原價計算の强制化󠄁からだけ來たのではない。戰時適󠄁正價格の見地からも來て居る。在來の平󠄁時經濟に於ける物價は自由價格であつたが戰時經濟に於ては統制價格が必要󠄁である。而して戰時經濟生活の安定化󠄁の上から低物價政策を堅持せねばならぬ。低物價政策の堅持は戰時經濟以來の牢固たる國策であつて今日と雖も、その態度を堅く守つて居る。斯やうに低物價政策を目標とする戰時物價を確保するため商工省には物價局が新設され、また政府の諮問機關として價格形成中央委員會が設けられたのである。而して戰時物價の適󠄁正化󠄁には原價計算を基礎とした原價に適󠄁正利潤を加へたものであることが明かにされた。これが社󠄁會をして原價計算に着眼せしめた一つの大きな理由である。
斯くて戰時適󠄁正價格の形成の見地からも原價計算方式を定むる要󠄁請󠄁が起り昭和十四年十月󠄁に價格形成中央委員會內に原價計算專問〔ママ〕委員會が設けられ戰時經濟に最も必要󠄁な製鐵、特殊鋼、羊毛、