| 橋脚 | 軀體 | 切斷箇所(床石面よりの距離)(呎) | |
| 地盤より床石面までの高(呎) | 第一切斷面 | 第二切斷面 | |
| 第一號橋脚 | 33.0 | 24.3 | 32.5 |
| 第二號橋脚 | 35.0 | 22.5 | 36.2 |
| 第三號橋脚 | 37.0 | 22.5 | 35.0 |
| 第四號橋脚 | 29.5 | 13.6 | 25.2 |
八 東北本線荒川橋梁
構造概要 (附圖第六十五參照) 本橋梁は赤羽川口町間上野起點6哩68鎖71節に位し,上り線總延長3,034呎61⁄4吋,下り線總延長3,033呎43⁄4吋にして,上野方橋臺より舊局型50呎上路鈑桁上下2線竝列各38連,ポニー式複線下路ワーレン型構桁94呎4吋4連,次に舊局型50呎上路鈑桁上下2線竝列各10連を架す。橋梁上線路は水平直線にして,その方向は約北15度東なり。
橋臺及び橋脚の軀體工は煉化石積にして,隅及び水切には石材を使用し,鈑桁に對する橋脚は上下線相密接して全く一體として築造せられ,その形狀は砲彈形なり。上り線用橋脚の基礎は杭打混凝土工なれども下り線には杭を省略せり。構桁の橋脚は複線用にして基礎には2個の圓形井筒を用ひ,兩井筒に拱を架し軀體は一體となせり。而して下り線竝に上下共用複線構桁に對するものは日本鐵道會社時代に築造せられ,その他の上り線に對するものは國有後に築造せられたるものなり。
被害狀況 (附圖第六十五乃至第六十七並に寫眞第二百七十九乃至第二百八十四參照) 橋臺及び橋脚は上下兩線とも全部多少沈下或は傾斜せざるはなく(第二十二表參照),第十七號橋脚より第三十六號橋脚に至るまで上下兩線用とも總て川上方(杭打を省ける側)に傾斜し,就中最も甚しきは第三十四號,第三十五號及び第三十六號橋脚にして,床石面に於ける最大沈下それぞれ4.9呎,5.2呎及び4.1呎に達せり。
第三十八號橋脚(構桁用)は約1呎沈下せるも他に異狀なし。第三十九號橋脚(構桁用)は約1呎沈下し,且兩脚部とも井筒上端より約5呎の上方に於て水平に龜裂を生じ,これを境として上下兩部全く切斷され,下部は上部に對しその周圍に於て約2吋孕出し,又拱環の煉化石剝落せり。第四十號橋脚(構桁用)は川下方(脚部)に井筒上端より約1呎の上部に於て水平に龜裂を生じたり。尙鈑桁に對する橋脚中,恰も泥中の杭を左右に動かしたる跡の如く,その下部地面と接する線に沿ひて地盤に溝を生じたるものあり。即ち第七號及び第八號橋脚はその大宮方にそれぞれ幅1吋及び31⁄2吋の溝を生じ,又第九號橋脚はその周圍に亘り幅2吋の溝を生じたり。
應急工事 (附圖第六十七及び寫眞第二百八十四參照) 傾斜せる鈑桁用橋脚の前後は枕木にて枠を組立てゝ鈑桁を支へ,又構桁用橋脚は龜裂又は剝落せる部分を混凝土にて捲き,この際使用せる角材製型枠はその儘存せしめたり。(寫眞第二百八十四參照)
九 常磐線隅田川橋梁
構造概要 (附圖第六十八參照) 本橋梁は南千住北千住間日暮里起點4哩69鎖23節,隅田川に架設せられ全長1,651呎2吋にして,明治二十九年八月の竣工に係り,徑間200呎複線用構桁2連,徑間60呎單線用上路鈑桁19連上下竝列より成り,橋梁上線路は水平直線にしてその方向約北19度東なり。
地質は粘土にして,基礎は橋臺及び鈑桁用橋脚に對するものは杭打板張混凝土工,構桁用橋脚に對するものは煉化石積井筒工なり。橋臺軀體工は凹形にして煉化石を使用し,隅角には石材を配せり。橋脚の構造は構桁に對するものは2個の井筒の上部に拱を架してその上部に小判形軀體を造り,鈑桁に對するものは基礎混凝土上に砲彈形の斷面を有する軀體を築造す(附圖第六十八參照)。用材は煉化石にして兩端水切の部分には石材を使用せり。
被害狀況 (附圖第六十八及び寫眞第二百八十五參照) 本橋梁の被害は第三號及び第四號の兩橋脚並に第三號橋脚用井筒のみにして,他の橋臺橋脚及び橋桁には殆ど損傷なし。
第三號橋脚は頂部の川下方の箇所より斜に下方川上方に向ひて拱頂部に達する龜裂を生じ,その最大幅91⁄4吋に及べり。尙川上方井筒上端より約3呎の上方に當りて水平に龜裂を生じ,上記の斜龜裂と相俟て軀體を2部分に切斷し,その上部は川上に少許の移動をなしたり。而してこの第三號橋脚上に於て第一號及び第二號構桁は共に轉輾子端を有せしが,軀體切斷移動の結果,川上方床鈑はそのアンカー·ボールト切斷し,結局橋脚上の原位置に對して川下方へ約31⁄2吋移動せることゝなれり。川下側の床鈑には何等の損傷なし。
震災直後本橋脚に應急工事を施行せる際,潜水夫をして水中に在る井筒の部分を檢せしめたるに,川下方井筒の上野方の面に於て川底面より高約6呎の所にH形の龜裂あり。更にその下部に水平の小龜裂あるを發見せしが,このH形龜裂はその幅5吋餘,深は3呎にも達し,長は水平に測りたる部分のみにて約9呎に及び,又水戶方に於て地盤面より鉛直に走れる縱龜裂あるを知りたり。川上方井筒に於ては水戶方の面にその頂部より約5呎の下方に水平の龜裂あるを發見せり。而してこれ等の損傷は何れも今囘の地震の結果なりと推定せらる。
第四號橋脚は第三號橋脚に比し被害の程度小にして,川上側に於て井筒上端より2呎6吋上方に水平龜裂を生じ,又川下側に於ても井筒上端部附近に水平龜裂を生じ,且煉化石の剝落せるもの數箇所ありたり。
十 常磐線利根川橋梁
構造概要 (附圖第六十九參照) 本橋梁は我孫子取手間上野起點25哩9鎖9節の利根