呎23⁄4吋,頂部の幅26呎)は翼壁全潰し,バラス止破壞して軀體は床石面の下方20呎附近に於て水平に切斷し,上部は約1⁄2吋前進し,床石面にて約3呎6吋前方に傾斜せり。第一號橋脚(高約47呎6吋,頂部の幅23呎6吋)は床石面より約19呎6吋下方にて切斷して國府津方橋臺に向て倒れ,その位置は線路中心線に略々平行して約2呎6吋川下に移動せり。而して下部は更に10呎6吋の所にて水平に切斷し,且切斷面の上下に龜裂を生じたり。
第二號橋脚(高27呎,頂部の幅27呎)は床石面より下方10呎附近にて水平に罅裂を生じたり。
第二號及び第三號橋脚の中央部より熱海方橋臺に至る間は全部泥流に蔽はれて被害程度は不明なりしが,復舊工事の際掘鑿せる結果によれば次の如し。
第三號橋脚(高66呎,頂部の幅27呎)は頂部より35呎附近に於て水平に切斷し,上部は國府津方橋臺に向て轉倒し,2片に破損せり。
第四號橋脚(高75呎,頂部の幅27呎)は頂部より55呎附近に於て切斷し,上部顚倒して泥流のため行方不明となれり。
第五號橋脚(高38呎,頂部の幅27呎)は頂部より20呎附近にて切斷し,上部は泥流のため行方不明となれり。
第六號橋脚(高64呎,頂部の幅23呎6吋)及び熱海方橋臺(高71呎3⁄4吋,頂部の幅26呎)は泥流のため行方不明となれり。
第一號鈑桁の一端は第一號切斷橋脚上に約8呎乘出し,他端は國府津方橋臺を外れて顚倒せる第一號橋脚上に墜落せり。
第二號鈑桁は上下線とも熱海方の桁端は第二號橋脚上に支柱と共に乘出し,國府津方の桁端は地上に墜落せり。
第一號構桁は國府津方の端は第二號橋脚より熱海方に約9呎離れて墜落し,第三格間以外は泥流中に埋沒し,墜落構桁中心と線路中心とは約20度の角(方向南32度西)をなし,桁の上面を川上に向けて橫はれり。
第二號構桁は墜落大破して泥流中に埋沒せり。
第三號構桁及び第六,第七徑間に架する鈑桁は泥流のため押流されて行方不明となれり。
國府津方橋臺,第一號橋脚及び第二號橋脚は全く地震動に因る被害なるも,第三號,第四號,第五號,第六號橋脚及び熱海方橋臺は地震動竝に泥流に因る被害なり。而して第三號橋脚の切斷部は第一號橋脚と同じく國府津方橋臺に向て倒れ,その位置は線路中心線に略々平行したるに依り(附圖第六十二參照)推察するに泥流のため切斷せしものなれば泥流の方向に倒るべきに,これと直角に倒れたるは地震動に依り切斷顚倒したることを證するものならんか,即ち行方不明の橋臺橋脚は何れも地震動に因り切斷顚倒したる後,泥流のため一掃せられ海中に流失したるものゝ如し。
第二號橋脚の被害比較的小なるはその高低くして斷面積大なると,且橋脚は一方鈑桁なるがため積載荷重も從て小なる等與て力あるべし。
鋼桁の墜落位置は何れも川上にして,約10呎乃至12呎熱海方に向て移動し,その方向は鈑桁は南20度西,前後,構桁は南32度西なり。而して橋梁附近に於ける地勢上,國府津方は熱海方の如く泥流の激突を受けざりしを以て,墜落せる構桁も泥流のために位置を變ぜざりしものゝ如し。
七 熱海線(建設線)千歳川橋梁
構造概要 (附圖第六十三及び第六十四並に寫眞第百四十八及び第百四十九參照) 本橋梁は湯河原熱海間國府津起點13哩66鎖36節9に在り,單線並列式にして上路鋼鈑桁徑間60呎3連及び徑間40呎2連より成り,全長281呎4吋なり。橋梁上線路は直線にして南16度12分西に向ひ1⁄100の勾配中に在り。架橋地點の地質は砂利及び玉石混り赤土にして,基礎工は橋臺橋脚とも混凝土工とし,軀體は何れも側粗石積玉石入混凝土工にして大正十二年四月に竣工せしものなり。
混凝土の調合はセメント1,砂3,砂利6(桁座に對してはセメント1,砂2,砂利4)の割合にして橋桁の設計荷重はE33なり。地震當時に於て本橋梁は橋臺橋脚のみ竣工し,橋桁未だ架設せられず唯下り線上に土運車を通過せしむるため軌條桁を架設しありたるのみなりき。
被害狀況 (附圖第六十三及び第六十四並に寫眞第百四十八及び第百四十九參照) 上り線は熱海方橋臺を除き孰れも橋臺橋脚は水平に切斷せられ,就中第一號橋脚は切斷の上部甚しく熱海方に傾斜し辛うじて顚倒を免れ,第三號橋脚も亦熱海方と川上方とに傾斜せり。
| 橋臺,橋脚 | 軀體 | 切斷箇所(床石面よりの距離)(呎) | |
| 地盤より床石面までの高(呎) | 第一切斷面 | 第二切斷面 | |
| 國府津方橋臺 | 32.0 | 14.8 | 31.5 |
| 第一號橋脚 | 33.0 | 22.6 | 26.5 |
| 第二號橋脚 | 32.0 | 22.6 | 34.0 |
| 第三號橋脚 | 34.0 | 17.1 | 21.8 |
| 第四號橋脚 | 26.0 | 12.7 | 23.3 |
下り線は兩橋臺を除き橋脚は總て水平に切斷せられ,第一號橋脚は熱海方に傾斜し,第四號橋脚も亦熱海方に摺動せり。