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Page:時計用法解説:一名・時計所有者心得.pdf/8

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ず下に臺を置きもたせ置へし
時計は一年毎に掃除すへし就中とりわけ錯節さくせつなる機器はたびたび油を塗換掃除を爲すへし後ち大なる毀傷をなす若し二三年も捨置く時は油粘着して車の運轉を止るなり
然る時を油の凝結したると思ひ或は火にて暖め或は油を注ぎなどするものあり若し然る時は一時の運動を起すと雖も固より油の粘着を去らざれはたゝちに運轉の止めるなり加之しかのみならず其儘運動するときは車輪軋轢きしりて終に器械の滅縮へりちゝみを生ず斯の如きに至りては其修覆料なをしれうも高價なるばかりならず到底もとの如く復すること難し是に於てそれ拙手へたにて斯毀傷きずにせしと罪を職工に負しむるは譬えは猶患者の醫を迎へ診察を請にとき遲緩おそくしてやまひますますおもり終に不治病なおらぬやまひに至り咎を醫師に歸すると同じ
時辰鏢の器械を修覆せんには職工の巧手に命ずべし若し未熟の職工に依任たのむときは器械に損傷を生ずるなとあるべし
左の圖は「キーレッス、ウヲッチ」といひ鍵を用ひずして「ゼンマイ」を捲へき裝置なり其捲ところはいなる突出たる菊型のくわん旋轉めぐらし又時指針を適合あはするはろなる小突栓を壓へいなる菊型を廻轉めぐらすれは時指針は自由に運轉するものなりろは内空にしていより軸を通貫とほして内部の機器に鏈續ひきつゞく是世人の龍頭卷と稱するものなり此搆成こしらへは大に職工の焦思苦慮こゝろをくるしめしものなり今此裝置しかけを汎く用ゆるなり
[第五圖省略]
時計の表面の葢は常に開き置く可からす時針に塵の入て汚穢よう必す淸潔なる衣服の中に入置くへし
若し誤て時辰鏢とけいを水中に墜せし時は器械の内部は濕氣を含む故に直に外葢を開き濃き油の壜中とくりに浸し之を近傍ちかくなる時計職工の許へ持行へし然らされは遷延中せんえんちう