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Page:時計用法解説:一名・時計所有者心得.pdf/2

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時計用法解說のいましめ

時計の起原はじまりや遠く予聞く西曆紀元八百年間伊太利いたりやに於て始めて之を創造す然れともその製作せいさく甚だ麁造そぞうにして亦其用を爲すや不便なり爾後智工の士輩出し奇を究め便を計り一千百年の初めに至り新奇補正所しんきおぎなひところありて遂に今日の旺盛さかん家々壁に掛け人々袖中に藏め勤務の朝退いでいり營生とせい作息かけひき醫師の脉度れうぢ勞逸はたらきの程限滊車船舶の運轉航海の用に至るまで須臾しばらくも缺く可からざる器なり然るに往々其精を競ひ良を擇び漫然時を消過し精を競ひ良を擇ぶの心果して何に在るや人に誇るの具を爲すに過ぎず昔者むかし元主製する刻漏を明の高祖に進る者あり明祖曰く萬機の