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鳩の書/第1章/§5

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鳩の書

第1章

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[p.9]

§5.

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<< 忍耐について >> [1]


謙虚さが従順と結びつくように、従順は必然的に苦難における忍耐と結びつきます。苦難[2]は一時的なものか永遠のものかのどちらかです。休息も同様です。一時的な苦難は永遠の休息の原因であり、一時的な休息は永遠の苦難の原因であるため、キリストの精神を持つ入信者は、永遠の休息のために一時的な苦難を忍耐強く耐えます。忍耐して耐え忍ぶべき苦難[3]とは、暴食と肉欲の激情との闘い[4]、自発的な禁欲労働、神の許しによって孤独な者を試練する、迷惑で妨げとなる出来事として現れる不本意な誘惑、邪悪で不敬虔な人々との遭遇、岩からの転落、修道院で奉仕する修練生が、たとえ過ちを犯していなくても、上司や同胞から軽蔑と侮蔑を受け、その結果、厄介な病に陥ることである。

[p.10]

嫌悪感、肉体の疲労、精神の混乱、落胆、思索の暗さ、人からの援助の欠如。これらすべての[悪]は、主の言葉、「最後まで耐え忍ぶ者は救われる」[5]と、忍耐の素晴らしさに関する聖なる父祖たちの言葉によって癒される。要するに、神への愛によって燃え尽きない者は、川岸の礎石として使われる石灰岩の瓦に似ている。瓦は一時間も持ちこたえることはないが、焼かれると岩のように持ちこたえる。

脚注

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  1. Introduction, p.117 sqq.; Paradisus Patrum, p. 504—525
  2. Ethikon, p. 369
  3. Ethikon, p. 372
  4. Ihya' III, p. 70
  5. マタイ 24:13.
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原文:

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翻訳文:

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