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鳩の書/第1章/§1

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鳩の書

第1章

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§1.

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<< 人が世の中に対して疎遠になることについて >>


人間が世とその欲望から疎遠となる原因は二つあります。一つは本質的で真実な原因ですが、これは極めて稀です。それは人間の心に宿る神聖な衝動であり、眠りから目覚めさせ、来世で罪人たちに脅かされる責め苦と、神の国で義人に約束されている享楽について、夜も昼も瞑想させるのです。この原因は、ごく少数の人々の間で、長い間隔を置いて、一部の国でのみ見られます。


もう一つの原因は偶然の産物で、二次的なものです。それは、名声を得ることさえ難しいほどに、人間を苦しめる虚栄心です。そのため、人間は名声を得るために、苦行という過酷な労働に身を投じます。このように、富裕層は大きな苦難を味わうことで栄光を得ようとしてきました。この原因は、いつの時代も、どこにいても、多くの人々の間に見られます。単純な原因ではありますが、完全に否定できるものではありません。なぜなら、種はしばしば意図せずに地に蒔かれ、多くの実を結ぶからです。多くの種子は農夫によって注意深く扱われるが、実を結ばないことが判明しています。

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原文:

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翻訳文:

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