鮭と人間の価五十銭也

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本文[編集]

鮭と人間の価五十銭也
萩原恭次郎

赤いレツテルには
北海道産の鮭と人間一匹の価
金五十銭也

 ——せつぱつまつた蟻は
 ——蟻地獄にをいて悶き乍ら食はれ行く
 ——油のきれた機械は
 ——空廻りばかりしてゐる
 ——円錐形の底の方に
 ——たう這ひ上れない屍が
 ——天上へ眼を向けてころがつてゐる

赤いレツテルには
北海道産の鮭と人間一匹の価
金五十銭也

解題[編集]

作者:萩原恭次郎

底本:萩原恭次郎『死刑宣告』日本図書センター〈愛蔵版詩集シリーズ〉(2004年3月25日初版第1刷発行) ISBN 978-4-8205-9599-1

表記について:旧仮名遣いは初版本(1925年10月18日発行、長隆舎書店)のまま、漢字は常用漢字に改めてある。