駐留軍関係離職者等臨時措置法

提供: Wikisource
ナビゲーションに移動 検索に移動

第一章 総則[編集]

(目的)

第一条
この法律は、日本国に駐留するアメリカ合衆国の軍隊又は本邦の領域内にあつた国際連合の軍隊の撤退等に伴い、多数の労働者が特定の地域において一時に離職を余儀なくされること等の実情にかんがみ、これらの者に対し特別の措置を講じ、もつてその生活の安定に資することを目的とする。

(定義)

第二条
この法律において「駐留軍関係離職者」とは、次の各号に掲げる者であつて、日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約に基づき日本国にあるアメリカ合衆国の軍隊若しくは日本国とアメリカ合衆国との間の安全保障条約に基き日本国に駐留していたアメリカ合衆国の軍隊(以下単に「アメリカ合衆国の軍隊」という。)の撤退、移動、部隊の縮少若しくは予算の削減その他これらに準ずる政令で定める事由の発生に伴い、又は日本国における国際連合の軍隊の地位に関する協定(以下「国際連合軍協定」という。)に基き本邦の領域内にあつた国際連合の軍隊(以下単に「国際連合の軍隊」という。)の撤退に伴い、離職を余儀なくされたものをいう。
一  アメリカ合衆国の軍隊及び日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約第六条に基づく施設及び区域並びに日本国における合衆国軍隊の地位に関する協定第十五条第一項(a)に規定する諸機関に労務を提供するため、同協定第十二条第四項の規定に基づき国が雇用する者
二  アメリカ合衆国の軍隊に労務を提供するため、日本国とアメリカ合衆国との間の安全保障条約第三条に基く行政協定(以下「行政協定」という。)第十二条第四項の規定及び旧調達庁設置法(昭和二十四年法律第百二十九号)第四条第十三号の規定により調達庁長官が締結した契約に基き国が雇用していた者
三  行政協定第十五条第一項(a)前段に規定する諸機関が雇用していた者
四  もつぱら、アメリカ合衆国の軍隊がその維持のためにする調達に応ずるため、個人又は法人が雇用する者
五  国際連合の軍隊に労務を提供するため、国際連合軍協定第十四条第六項の規定及び旧調達庁設置法第四条第十三号の規定により調達庁長官が締結した契約に基き国が雇用していた者
六  国際連合軍協定第九条第一項前段に規定する諸機関が雇用していた者
七  もつぱら、国際連合の軍隊がその維持のためにする調達に応ずるため、個人又は法人が雇用していた者
八  前各号に掲げる者に準ずる者であつて政令で定めるもの

第二章 駐留軍関係離職者等対策協議会[編集]

(中央駐留軍関係離職者等対策協議会の設置)

第三条
厚生労働省に、中央駐留軍関係離職者等対策協議会(以下「中央協議会」という。)を置く。

(中央協議会の所掌事務)

第四条
中央協議会は、第一条の目的を達成するため、駐留軍関係離職者等に対する施策について関係行政機関相互の連絡調整を図るものとする。

(中央協議会の組織)

第五条
  1. 中央協議会は、会長及び委員十三人以内をもつて組織する。
  2. 会長は、厚生労働大臣をもつて充てる。
  3. 委員は、関係行政機関の職員の中から、厚生労働大臣が任命する。
  4. 専門の事項を調査させるため必要があるときは、中央協議会に専門委員を置くことができる。
  5. 専門委員は、関係行政機関の職員及び学識経験がある者の中から、厚生労働大臣が任命する。
  6. 会長、委員及び専門委員は、非常勤とする。

(意見の聴取)

第六条
中央協議会は、必要があるときは、駐留軍関係離職者又は第二条第一号、第四号及び第八号に掲げる者に該当する労働者である者の意見を代表する者から、その意見を聴くことができる。

(中央協議会の事務局)

第七条
  1. 中央協議会の事務を処理させるため、中央協議会に事務局を置く。
  2. 事務局に、所要の職員を置く。

(政令への委任)

第八条
第三条から前条までに定めるもののほか、中央協議会の組織及び運営並びに事務局その他中央協議会に関し必要な事項は、政令で定める。

(都道府県又は市町村の駐留軍関係離職者等対策協議会)

第九条
  1. 都道府県及び市町村は、その区域内において多数の駐留軍関係離職者が発生したとき、又は発生するおそれがあるときは、当該都道府県又は市町村における駐留軍関係離職者等に対する施策について関係行政機関相互の連絡調整を図るため、条例で、都道府県又は市町村の駐留軍関係離職者等対策協議会(以下「地方協議会」という。)を置くことができる。
  2. 地方協議会の組織及び運営その他地方協議会に関し必要な事項は、条例で定める。
  3. 国は、都道府県又は市町村が地方協議会を置いたときは、予算の範囲内において、政令の定めるところにより、当該地方協議会に要する経費の一部を補助することができる。

第三章 駐留軍関係離職者等に対する特別措置[編集]

(職業訓練等についての特別措置)

第十条
  1. 駐留軍関係離職者又は第二条第一号、第四号若しくは第八号に掲げる者に該当する労働者である者に対する公共職業能力開発施設の行う職業訓練(職業能力開発総合大学校の行うものを含む。次条第三項において同じ。)については、必要に応じ、職業能力開発校の設置、新たな教科の追加、夜間における職業訓練等特別の措置が講ぜられるものとする。
  2. 国は、予算の範囲内において、政令の定めるところにより、職業能力開発校に係る前項の特別の措置に要する経費の全部又は一部を負担することができる。
  3. 防衛大臣は、防衛省設置法 (昭和二十九年法律第百六十四号)第四条第二十五号 に掲げる事務として、第二条第一号に掲げる者に該当する労働者である者が離職した場合に速やかに他の職業に就くことができるようにするため、講習会の開催等職業に必要な知識技能を授けるための特別の措置を講ずることができる。

(就職指導等)

第十条の二
  1. 公共職業安定所は、駐留軍関係離職者であつて次の各号に該当すると公共職業安定所長が認定したものに対し、厚生労働省令の定めるところにより、その者の再就職を促進するために必要な職業指導(以下「就職指導」という。)を行うものとする。
    一  当該離職の日が昭和三十九年一月一日以後であること。
    二  第二条第一号に掲げる者に該当する労働者として一年以上在職していたこと。
    三  労働の意思及び能力を有すること。
    四  当該離職の日以後において新たに安定した職業についたことのないこと。
    五  前にこの項の規定による認定を受けたことのないこと。
  2. 公共職業安定所は、駐留軍関係離職者であつて次の各号のいずれかに該当すると公共職業安定所長が認定したものに対しても、前項の就職指導を行なうことができる。
    一  前項各号(第四号を除く。)に該当する者であつて当該離職の日以後新たに安定した職業についた日の翌日から起算して一年以内にその者の責に帰すべき理由又はその者の都合によらないでさらに離職し、かつ、その離職が同項第一号の離職の日の翌日から起算して三年以内であるもの
    二  前項の規定による認定を受けた後において新たに安定した職業についたことによりその認定が第五項の規定により取り消された者であつて当該職業についた日の翌日から起算して一年以内にその者の責に帰すべき理由又はその者の都合によらないでさらに離職し、かつ、その離職が前項第一号の離職の日の翌日から起算して三年以内であるもの
  3. 公共職業安定所長は、前二項の規定による認定を受けた者に対して、公共職業能力開発施設の行う職業訓練を受けることその他その者の再就職を促進するために必要な事項を指示することができる。
  4. 第一項及び第二項の規定による認定は、当該認定を受けた者の第一項第一号の離職の日の翌日から起算して三年を経過したときは、その効力を失う。
  5. 公共職業安定所長は、第一項又は第二項の規定による認定を受けた者が次の各号のいずれかに該当すると認めたときは、当該認定を取り消すことができる。
    一  労働の意思又は能力を有しなくなつたとき。
    二  新たに安定した職業に就いたとき。
    三  正当な理由がなく、第一項の就職指導を再度受けず、第三項の規定による指示に再度従わず、又は公共職業安定所の紹介する職業に就くことを再度拒んだとき。
    四  偽りその他不正の行為により、雇用対策法 (昭和四十一年法律第百三十二号)の規定に基づき支給する給付金(事業主に対して支給するものを除く。)の支給を受け、又は受けようとしたとき。

(給付金の支給)

第十条の三
国は、駐留軍関係離職者がその有する能力に適合する職業に就くことを容易にし、及び促進するため、駐留軍関係離職者又は事業主に対して、雇用対策法 の規定に基づき、給付金を支給するものとする。

(就職促進指導官)

第十条の四
第十条の二第一項の就職指導は、職業安定法 (昭和二十二年法律第百四十一号)第九条の二第一項 の就職促進指導官に行なわせるものとする。

(駐留軍関係離職者のための住宅)

第十一条
国は、アメリカ合衆国の軍隊から返還された国有財産(国有財産法 (昭和二十三年法律第七十三号)に規定する国有財産をいう。以下同じ。)であつて駐留軍関係離職者の住宅の用に供することを適当と認めるもの及びその他の国有財産で第二条第一号に掲げる者の住宅の用に供されていたものを、必要がある場合においては、駐留軍関係離職者の就職を容易にするためその臨時の住宅の用に供するよう配慮するものとする。

(返還された国有の財産の譲渡及び貸付)

第十二条
国は、アメリカ合衆国の軍隊から返還された国有の財産(国有財産及び物品管理法 (昭和三十一年法律第百十三号)に規定する物品のうち国が所有するものをいう。以下同じ。)を、駐留軍関係離職者が有する株式若しくは出資の金額の合計額がその資本金の額若しくは出資の総額の二分の一を超える法人又はその経営する事業に従事する従業員の過半数が駐留軍関係離職者である法人に対し、通常の条件よりも有利な条件で、譲渡し、又は貸し付けることができる。ただし、国有財産法 その他国有の財産の管理及び処分に関する他の法令の規定の適用を妨げない。

(資金の融通のあつせん)

第十三条
関係行政機関は、駐留軍関係離職者の経営する事業、前条に規定する法人の経営する事業その他多数の駐留軍関係離職者が関係している事業について、駐留軍関係離職者の自立に資するため、その必要とする事業資金の融通のあつせんに努めなければならない。

第十四条

削除

(特別給付金の支給)

第十五条
  1. 政府は、第二条第一号に掲げる者に該当する労働者であつて、政令で定める期間以上在職したものが、アメリカ合衆国の軍隊の撤退、移動、部隊の縮小若しくは予算の削減その他政令で定める理由の発生に伴い離職を余儀なくされ、又は業務上死亡した場合には、予算の範囲内において、政令の定めるところにより、当該離職を余儀なくされた者若しくはその者の遺族又は当該死亡した者の遺族に対し、特別給付金を支給することができる。
  2. 第二条第一号に掲げる者に該当する労働者が前項に規定する理由の発生に伴い離職を余儀なくされ、又は業務上死亡した場合において、その者が当該労働者として在職した期間の前に次の各号に掲げる者として在職したことがあるときは、前項の規定の適用については、それらの者としての在職期間を当該労働者としての在職期間に合算した期間を当該労働者としての在職期間とみなす。
    一  第二条第一号から第三号まで、第五号又は第六号に掲げる者に該当する労働者
    二  前号に掲げる者に準ずる労働者として政令で定める者
  3. 前項の在職期間の合算は、第二条第一号に掲げる者に該当する労働者としての在職期間及びその期間の前の同項各号に掲げる者としての在職期間が、いずれも前後引き続いている場合に限り行うものとする。
  4. 第二項各号に該当する者として在職した者が、当該在職の在職期間の終了の日又はその翌日(当該翌日及びこれに引き続く日が政令で定める勤務を要しない日であるときは、当該勤務を要しない日の翌日)に同項各号に掲げる者となつたものであるときは、その前後の同項各号に掲げる者としての在職期間は、引き続いたものとみなす。
  5. 前三項に定めるもののほか、在職期間の合算に関して必要な事項は、政令で定める。

第十六条

前条第一項の特別給付金を支給する場合において、同一の労働者について同項の規定により特別給付金を支給することができる場合が二以上あるときは、同項の規定は、当該二以上の場合のうち最後の場合に限り、適用する。

第十七条

  1. 第十五条第一項の離職を余儀なくされた者に係る特別給付金は、その者が当該離職を余儀なくされた後引き続く在職者とならなかつたとき、又は当該離職を余儀なくされた後引き続く在職者となつた者が死亡したとき(当該死亡につき同項の規定により特別給付金を支給することとなる場合を除く。)に支払うものとする。
  2. 前項において「引き続く在職者」とは、離職の日又はその翌日(当該翌日及びこれに引き続く日が政令で定める勤務を要しない日である場合には、当該勤務を要しない日の翌日)に第二条第一号に掲げる者に該当する労働者となつた者をいう。

附則抄[編集]

(施行期日)

1  この法律は、公布の日から施行する。

(この法律の失効)

3  この法律は、平成三十年五月十六日限り、その効力を失う。ただし、この法律の失効前に第十条の二第一項又は第二項の規定による認定を受けた駐留軍関係離職者に係る当該認定の効力及び取消し並びに就職指導及び給付金に関しては、なおその効力を有するものとする。

附 則 (昭和三五年六月二三日法律第一〇二号) 抄[編集]

(施行期日)

第一条
この法律は、日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約の効力発生の日から施行する。

附 則 (昭和三六年七月一日法律第一五八号)[編集]

附 則 (昭和三七年五月一五日法律第一三二号) 抄[編集]

附 則 (昭和三八年五月一六日法律第九一号)[編集]

附 則 (昭和四一年七月四日法律第一一六号) 抄[編集]

参考資料[編集]


この著作物は、日本国著作権法10条2項又は13条により著作権の目的とならないため、パブリックドメインの状態にあります。同法10条2項及び13条は、次のいずれかに該当する著作物は著作権の目的とならない旨定めています。

  1. 憲法その他の法令
  2. 国若しくは地方公共団体の機関、独立行政法人又は地方独立行政法人が発する告示、訓令、通達その他これらに類するもの
  3. 裁判所の判決、決定、命令及び審判並びに行政庁の裁決及び決定で裁判に準ずる手続により行われるもの
  4. 上記いずれかのものの翻訳物及び編集物で、国若しくは地方公共団体の機関、独立行政法人又は地方独立行政法人が作成するもの
  5. 事実の伝達にすぎない雑報及び時事の報道

この著作物は、米国政府、又は他国の法律、命令、布告、又は勅令等(Edict of governmentも参照)であるため、ウィキメディアサーバの所在地である米国においてパブリックドメインの状態にあります。“Compendium of U.S. Copyright Office Practices”、第3版、2014年の第313.6(C)(2)条をご覧ください。このような文書には、“制定法、裁判の判決、行政の決定、国家の命令、又は類似する形式の政府の法令資料”が含まれます。